大いなる沈黙へ

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フィリップ・グレーニング監督(脚本、撮影、編集)

 フランスアルプス山脈に建つグランド・シャルトルーズはカトリック教会の中でも厳しい戒律で知られるカルトジオ会の男子修道院である。修道士たちは毎日祈りを捧げ、一生を清貧のうちに生きる。


 監督が撮影を申し込んでからOKがでるまで16年。音楽なし、ナレーションなし、照明なし、中に入れるのは監督だけという条件でした。監督は6ヶ月間修道士とともに暮らしたそうです。さらに日本公開までも9年かかっているのですから、なんか特別な映画のように感じますね。世界初ですよ!ベールに包まれた修道院の中を見てみたい!そんな気持ちから観賞しました。
 修道士たちの生活をそのままに、厳かに映し出した映画だと思います。169分と恐ろしく長く、淡々と映し出される映像にやはり、ガチのいびきが聞こえてましたよ(>_<)隣の女性はずっと手を合わせていました。私も心を無にして観賞しようと思って臨んだのですが、若干の睡魔、さらに途中今日の夕飯のおかずなど考えてしまいました(ゴメンナサイ~><)
 修道士たちはそれぞれに与えられている藁のベッドとストーブがあるだけの小部屋で過ごし、祈り中心の規則正しい生活を送っています。会話を許されるのは日曜日の昼食後、散歩の時間(4時間)だけ!一週間にお話できるの4時間って・・・@@その時間はみんなふつうに楽しそうに会話していて、雪遊びをしてたりね、普通の人なんだって(笑)なんかホッとして微笑ましかったです。修道服の作成や散髪も修道士が行っているのです。
 新しい修道士を迎える場面、修道士ひとりひとりが彼らとハグしていき、温かく迎える姿がとても印象的でした。修道院ととりまく景色の映像がとても美しかったです。暗い礼拝堂で修道士たちが唄う様子はとても神秘的でした。
 時々、修道士一人ひとりの顔が映し出されます。全員穏やかな表情なのかなと思ったら鋭い目つきの人もいました。単にそういう顔立ちなのかも(笑)両親、自分も歳ををとってきていやでも考えなければならない死について、盲目の修道士が穏やかな表情で語った言葉はとても救われるものでした。
 物に囲まれ、日々移り変わる世の中で、修道院は何世紀も変わらない生活を送っているのです。そう思うと修道士が廊下を静かに歩く光景にも歴史を感じます。彼らはなぜあえて修道士という厳しい道を選んだのか興味がありました。職業の選択のようなものなのかな、と思えば納得できる気がしました。
 音楽がない分、自然、修道士の生活をより感じることができたと思います。とても貴重な時間でした。映画館で見ることができてよかったです^^  
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オンリー・ゴッド

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ニコラス・ウィンディング・レフン監督

ライアン・ゴズリング
クリスティン・スコット・トーマス
ヴィタヤ・パンスリンガム
ゴードン・ブラウン
ラータ・ポーガム
トム・パーカー

 バンコクに住むアメリカ人のジュリアン(ライアン・ゴズリング)は表向きはボクシングクラブの経営者、裏では家族とともに麻薬密輸組織の運営をしている。ある日彼は殺された兄のかたき討ちを母クリスタル(クリスティン・スコット・トーマス)から命じられる。


 とっても面白かった「ドライヴ」のレフン監督とゴズリンのコンビ再び!舞台がバンコクということでアジア的な雰囲気。赤と青が印象的な映像が好みでした。ゴズリンは寡黙な男が似合いますね。
 ジュリアンは殺された兄の仇を討てとクリスタルに命令されるのです。この母親はどうも兄を溺愛してたっぽい。復讐の話は大好きなんだけど、兄は殺されて当然なことをやってるので乗れませんでしたよ(>_<)
 ジュリアンも兄の悪行をわかっていながらもクリスタルには逆らえないのです。彼にとって母親は絶対的な存在、その思いは複雑なようで、それを感じさせる場面もありました。
 クリスタルがいかにも極道の女って感じで超恐い(・_・;)スコット・トーマスってセレブな感じのイメージだけど、ものすごくハマっててびっくり@@ジュリアンがガールフレンドを紹介するところの会話のエゲつなさ、威圧感がすごかった(恐)
 今回一番の存在感だったのは、謎の警官チャン(ヴィタヤ・パンスリンガム)ですね。最強です!ジュリアンと一対一で戦うシーンでのムダのない動き、刀を使ってのアクションなど目が離せませんでした。そして何故かカラオケで歌う(?)さぶちゃんかと思いましたよ(笑)節目節目に歌ってるような・・・彼の中の儀式なのかな?警官でありながら一番容赦なかった(^_^;)特に少女を食いものにする大人たちには怒りの鉄拳を!
 クリスタルファミリーと(さぶ)チャンの戦いということで、ハードな暴力なシーンもけっこうありました。「ヴァルハラ・ライジング」もそうでしたが、レフン監督って暴力シーンを芸術的見せるセンスがすごいと思います。かわいい女の子たちがいるキャバクラ(?)での演出が素晴らしかったです(エグイけど汗)
 ゴズリンは外見はクールだけど内面は繊細な感じがするジュリアンにピッタリでしたね。ジュリアンの変わってる性的嗜好、ガールフレンドにいきなりキレたのは引いちゃいました(^_^;)女性と恋愛できないタイプだと思いますね。でもセリフが少なく、無表情で淡々と演じるゴズリンはやっぱりカッコよかったです^^
 意味不明な部分も多かったけど、映像にはグッっと惹きつけられました。幻想的なシーン、ジュリアンがクリスタルをグワッシ(?)、(さぶ)チャンのカラオケとか実は深い意味がありそう。
 裏社会にどっぷり~そして様々な親子の物語でもありましたね。好き嫌いが分かれそうですが、私は「好き!」です^^

イーダ

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パヴェウ・パヴリコフスキー監督

アガタ・チュシェブホフスカ
アガタ・クレシャ

 1962年のポーランド。孤児として修道院で育てられた少女アンナ(アガタ・チュシェブホフスカ)は、ある日院長から叔母の存在を知らされる。アンナは一度も面会に来たことのな叔母ヴァンダ(アガタ・クレシャ)の元を訪ね、イーダという本当の名前を聞かされる。イーダは自らの出生の秘密を知るために、叔母とともに旅に出る。


 ポーランド映画、以前観た「ソハの地下水道」もいい映画でしたね。この映画にも悲しい歴史的な背景がありました。モノクロ、音楽はジャズで独特の雰囲気があり、時折映し出される芸術的なシーンが、ハッとするほど美しかったです@@バンド演奏のシーンもよかった♪
 少女イーダが修道女の誓いを決意するまでを描いています。イーダはヴァンダとの旅で出自を知り、旅の途中でミュージシャンの男性と出会います。修道院でのイーダ、初めて会ったのにリアクションの薄い叔母と姪、物語は淡々と進んでいくものと思われましたが、イーダの両親について話を聞くうち衝撃的な事実が明らかになります(ショック><)。
 口数が少なくほとんど表情を変えないイーダは自分の運命を静かに受け入れて生きているように見えました。そんな彼女が叔母との旅を通して色々な経験をし、自分の意志で行動していく姿が感動的でした。ドレスだって着てみたいし、恋愛だってしてみたい、ふつうの可愛い女の子イーダの姿にホッとしたし微笑ましかった。ベールを外すとイメージが変わりますね。
 イーダ役のアガタ・チュシェブホフスカは女優経験がなかったみたいで、びっくり@@すごく目力があって魅力的な娘さんでした。セリフも少ないし喜怒哀楽も顔に出ないので目だけで感情を伝える演技、素晴らしかったです。
 修道院で何も知らずに心静かに生活していたイーダと闇を抱えたまま生きてきたヴァンダは対照的。ヴァンダはかつて検事でしたが、今はすさんだ生活をしているのです。イーダとは違った豊かな感情表現で演じたアガタ・クレシャの存在感に圧倒されました。
 少女の成長の物語であり、ロードムービーでもありました。それを80分という短い時間の中に流れるように描き、完結させているのはすごい。ツッ込みどころなしです(笑)とってもいい作品でした。地味映画としてお薦めしたいと思います^^
プロフィール

ポルカ

Author:ポルカ
ジョニー・デップ大好き♪

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