雪の轍

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ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督

ハルク・ビルギネル
デメット・アクバァ
メリサ・ソゼン
ネジャットイシレル

 トルコ カッパドキア。元舞台俳優のアイドゥン(ハルク・ビルギネル)は親から膨大な遺産を受け継ぎ、ホテルのオーナーとして何不自由なく暮らしている。しかし彼の美しい妻ニハル(メリサ・ソゼン)との関係がうまくいかず、一緒に住む妹のネジラ(デメット・アクバァ)ともぎくしゃくしはじめていた。さらに家を貸している一家から思わぬ恨みをかってしまう。


 カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品ですね。監督の作品が日本公開されるのは初めてみたい。そんな記念すべき作品を劇場観賞できたのはよかったです^^上映時間3時間16分、長いっ。しかも会話のシーンが多いので、やっぱりちょっとだけ睡魔、襲われました(しかたなし?)。 
 岩に囲まれているカッパドキアの風景が素晴らしかった!大きな岩自体がホテルや住宅になってるんです。中の壁とかも岩@@自然の力強い主張みたいなものを感じる場所でした。行ってみたい!こんなホテルに泊まってみたい!
 お客に日本人がいたのは嬉しかったなーわさびの話とかしてましたよ^^彼は俳優じゃなくてトルコに留学してた人だったみたい@@アイドゥンて見た目はとっつきにくい感じだけど、ぜんぜん違った。宿泊客に気さくに声をかけていて、とっても優しそうでした。
 物語はアイドゥンと周囲の人たちとの関係が描かれています。お互い傷つけ合う言葉の応酬、彼らの会話から内面をあぶり出していく感じがしました。アイドゥンの資産で慈善活動をする妻、出戻りの妹にはあまりいいイメージを持たなかったな。妻ネジラ役のメリサ・ソゼンが綺麗!
 アイドゥンが家を貸しているイスマイル(ネジャット・イシレル)一家が家賃を滞納、家具を差し押さえたことで彼らから恨みをかってしまいます。アイドゥンは人に任せていて知らなかったみたいだし、家賃払わないイスマイルが悪いのにあの態度はねぇ。息子にきちんと話しているのかも疑問です。間に入って気を使うイスマイルの弟ハムディの姿が痛々しかった。
 野生の馬を捕まえるシーン、体力の限界まで抵抗する馬の姿がとても凛凛しかったです。カッパドキアって「美しい馬の地」を意味するそうです。重苦しい雰囲気の中、アイドゥンが身を寄せた友人宅での男だけの酒盛りがユーモアあるシーンでした(笑)
 それぞれに立場や考え方が違う人との関わりの中で、相手を理解しようとすることが大切だということを感じました。夫婦、兄妹であっても同じだと思いますね。ニハルがイスマイルを訪ねるシーンではそれが悲劇的に描かれていたと思います。ラストは雪解けの予感^^
 会話とか哲学的で難しいところもありましたが、芸術的で映像も美しかったです。けっきょく素晴らしすぎるカッパドキアの自然が一番印象に残った映画でした(^_^;) 
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闇を生きる男

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ミヒャエル・ロスカム監督

マティアス・スクナールツ
イエルーン・ペルスバール
バーバラ・サレフィアン
フィリップ・グランドンリー
デイボ・ヴァンデンボール
フランク・ラメルス

 ベルギー、フランドル地方。畜産業を営むジャッキー(マティアス・スクナールツ)は、ある日精肉業者から怪しい仕事話を持ちかけられる。ジャッキーの商談相手の仲間に、幼なじみで彼の過去を知る男ヂエーデリク(イエルーン・ペルスバール)がいた。二人はある不幸な出来事をきっかけに関係を絶っていた。


 アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品です。「ホルモンマフィア」というワードに、裏社会センサーが反応(笑)しかしマフィアがメインではなく、心に闇を抱える男の悲しいお話でした><
 畜産業を営むジャッキーは幼なじみのヂエーデリクと偶然再会します。しかし二人の態度は微妙、それは過去のある出来事によるものでした。
 少年時代の仲のいい二人の姿、そして彼らを襲った悲劇が描かれていきます。あまりにも残酷な目に遭ったジャッキーはほんとに可哀そうでした。少年のジャッキーは線が細く可愛い感じの子で、今のマッチョで乱暴な姿は想像できません@@大量の薬品が置いてあるうす暗い部屋での姿は、彼が抱える孤独と心の闇を感じました。シャドーボクシングが恐すぎる(汗)
 やがて二人はホルモンの不正投与を追っていた捜査官殺人事件に巻き込まれていきます。殺人事件に使われた車についての部分はちょっとわかりづらかったので、DVDを何回か見返してしまいました。おっちょこちょいの車の販売店のコンビ、ちょっと何言ってるかわかんない(^_^;)
 ジャッキーがルチアの店でのぎこちない態度や、後をつけてクラブに行くところなど彼女にどう接したらいいのかわからない不器用さが切なかったです。野獣のような恐いオーラを放っていても、どこか悲しそうな目をしてるジャッキー。肉体改造をして役になりきったマティアス・スクナールツはほんとに素晴らしかったです。兄の家族を見て一瞬みせた優しそうな笑顔が印象的でした。
 ヂエーデリクもジャッキーに対する負い目から過去を引きずっているようでした。自らの秘密、ジャッキーへの思い、イエルーン・ペルスバールの抑えた演技が胸に響きました。
 憎む相手はもはやその意味もない姿となっていたのはショックでした。ラストも悲しすぎる><あの出来事がなかったらあの可愛かった少年はきっと違った人生を送ることができたのに。
 重たかった~気分がどんよりすること請け合いです。でもジャッキーの心の闇を映し出す演出がすばらしく、見応えのある映画でした。 
 

遊星からの物体X

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ジョン・カーペンター監督

カート・ラッセル
A・ウィルフォード・ブリムリー
リチャード・ダイサート
ドナルド・モファット
T・K・カーター
デイヴィッド・クレソン
キース・デイヴィッド

 南極。ノルウェー隊のヘリが一匹の犬を追って、アメリカ南極観測隊第4基地に現れた。銃や手榴弾を使い執拗に犬を狙うが失敗、ヘリは爆発する。犬はアメリカの基地に入れられるが、やがてグロテスクな生物に変形する。ヘリ操縦士のマクレディ(カート・ラッセル)たちはノルウェー基地に向い、そこで異様な光景を目にする。


 今まで観てなかったのかい!とツッコミを入れられそうですが(笑)SF映画ってあんまり観てなかったんだな~(^_^;)
 気になってたんだけど画像とか見て怖気づいてましたが、「ニューヨーク1997」も面白かったので、思いきって観賞。やっぱりと~っても気持ち悪かった(^_^;)でもそれだけじゃない心理的な恐さと面白さのある映画でした^^若いカート・ラッセルがまた出てて、ワイルドでカッコよかったです^^
 雪の中を走る一匹のハスキー犬(たぶん)を追いかけるヘリコプター。犬が逃げても逃げてもしつこく狙い、全力で殺そうとしてるのがわかります。グッと引きつけられるシーンで掴みはOK!犬がどうにかなるのは知ってたので、さてはこの犬が・・・と思うともうドキドキがとまらない♪この犬がほんとに素晴らしい演技で(!)表情や動きが怪しいんですよ~やがてとんでもない姿に・・・この映画だいじょぶかと不安になる(汗)
 アメリカの基地に入り込んだ生物は誰かを取り込んでは同化して、隊員たちを次々と襲っていきます。その様子はまさにホラーでした。ドクター、悲惨><「われわれは宇宙人だ」とか言わないし、ていうか挨拶なしでいきなり同化ですから(^_^;)ポールは可愛かったな~(笑)
 犬とか人間が変形するというところがグロテスクなんだと思いますね(汗)カニ(!)はちょっとおかしかったけど(^_^;)いったいこの生物の原型はどんな姿なのか是非見てみたいです。そんなインパクトある気味の悪い生物を作り出す特撮ってほんとにすごいと思いました@@ノルウェー基地から持ち帰った物の解剖シーンもリアルでした(汗)
 誰もが怪しい~~。誰が生物に取り込まれてるかわからないという状況で疑心暗鬼になる隊員たちの行動も興味深かったです。血液を検査するところはハラハラしましたね。
 ストーリーもよくできていて、衝撃、不安、緊張感のある演出が素晴らしかったです。意味深なラストもよかった。結局「面白さ>気持ち悪さ」だったので観てよかったです^^
 得体の知れない恐怖を感じさせる音楽がエンニオ・モリコーネだったのはびっくりでした@@ 

預言者

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ジャック・オディアール監督

タハール・ラヒム
ニエル・アレストリュプ
アデル・ベンチェリフ

19歳のアラブ系青年マリク(タハール・ラヒム)は傷害罪で禁固6年の刑を受け、中央刑務所に送られてくる。刑務所の中は様々な民族が入り混じっていた。ある日、マリクは最大勢力であるコルシカ・マフィアのボスセザール(ニエル・アレストリュプ)に殺しを依頼される。


 以前観た「第九軍団のワシ」のアザラシ族王子(!)を演じたラヒムが気になり検索したら出てきた映画。お友達の評価もよかったので、観たいと思ってました^^カンヌ映画祭グランプリ受賞作品です。
 面白かった!刑務所の中の世界も興味深かったし、その中で生きていく術を身に着けていく青年の姿に引きつけられました。アラブとかイタリアとかコルシカとかマフィアも色々いるんですね~汗、@@
 刑務所に来たばかりの不安げなマリクの表情が印象的。そんな彼に目をつけたのは絶大な力を持っているマフィアのボス、セザールでした。マリクにとって選択肢は「服従か死」もう逃げることはできません><マリクはセザールに殺しを依頼されるわけなんだけど、その方法が衝撃的で、それはそれは痛々しかったです@@
 セザール役のニエル・アレストリュプの凄みったらハンパない(汗)笑顔はきっと可愛い感じになりそうなので、日本ならさしずめ西田俊行さんができそう(笑)
 刑務所の中って、部屋も個室だしけっこう自由な感じで、隠れて携帯持ってたりDVDや麻薬を売る商売なんかもやってました@@許可が出れば外出もでき、マリクはセザールの使い走りのようなこともさせられ、危険な目にあってしまいます。それでも絶体絶命のピンチを奇跡的に切り抜けるなど持ってる男って感じ、いや、ついてる(憑いてる)男って感じかな(^_^;)
 マリクが字を習うなどの勉強をしたり、自分の立場、人種間の抗争などを利用しながらセザールを出し抜いていくところが見どころだと思います。同じアラブ系の友人の存在は大きかったですね。ファンタジーな友人(!)が時折現れるところもよかったです(^_^;)
 タハール・ラヒム、逞しくなっていくマリクの表情、行動を細やかな演技で表現していて素晴らしかったです。初めて飛行機に乗るシーンはかわいかったな(笑)マリクとセザールの力関係が変わった瞬間、なんかスカッとしましたね~それぞれの表情がとても印象的でした。ほっこりとしたラストもよかったです。後ろの車がなんか気になったけど・・・

やがて来たる者へ

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ジョルジョ・デイリッティ監督

アルバ・ロルヴァケル
マヤ・サンサ
グレタ・ズッケリ・モンタナーリ
クラウディオ・カサディオ

 第二次世界大戦中のイタリア、北部の都市ボローニャに近い静かな村。連合軍が南イタリアに上陸して以来、ナチス・ドイツとパルチザンの攻防が激化、山間のこの村にも戦争の影が迫っていた。
 大所帯の農家の一人娘、8歳のマルティーナ(グレタ・ズッケリ・モンタナーリ)は弟を亡くして以来口をきかなくなっている。母のレナ(マヤ・サンサ)はふたたび妊娠し、マルティーナと家族は新しい子供の誕生を心から待ち望む。


 第二次世界大戦中、ナチス・ドイツによる国内最大の住民虐殺事件「マルザボットの虐殺」について描かれています。以前観た「セントアンナの奇跡」を思い出し、当時のイタリアではいくつも同じような事件が起こっていたのだと思うと胸が痛みます。
 この映画、映像がめちゃくちゃきれいでした@@自然に囲まれた山間の村の風景がすばらしかったです^^
 マルティーナの家は両親や親戚などが一緒に暮らす大家族です。農作業をする男たち、若い娘たちはかくれてダンスに行ったりして楽しそう。叔母のベニャミーナ(アルバ・ロルヴァケル)は小さいマルティーナをとっても可愛がってくれます。
 口がきけないことで同級生からからかわれたりもしますが、動じずマイペースなマルティーナ。彼女の行動のひとつひとつがとってもかわいい^^
 そんなのどかに暮らすマルティーナの家にもドイツ兵やパルチザンが訪れ、やがて彼らの戦いに巻き込まれていきます。子供のマルティーナにとってはどっちが敵か味方かもわかりません。マルティーナの書いた作文、「なぜ、ドイツ兵はここにきたの?なぜ家族と一緒に過ごさないの?・・・」戦争の事情などわかるはずもない子供が素直に感じる疑問に大人たちは慌てます。
 マルティーナは偶然衝撃的な現場を目撃してしまいます。過酷な現実をとらえる大きな瞳から彼女の声なき声が伝わってきました。
 マルティーナ役のグレタ・ズッケル・モンクナーリちゃん、可愛かったですね~美人さんになりそう。今後が楽しみですね^^
 ドイツ兵のパルチザン掃討作戦は凄惨で、怒りと深い悲しみがこみ上げてきました。マルティーナは苦痛に顔をゆがめることも泣き叫ぶこともしません。ただひたすら弟を守り、まるで運命を受け入れているかのような姿に罪の重さをより強く感じました。
 今もどこかで起こっている戦争がなくなり、子供たちが辛い思いをすることのない世界になることを願います。 
プロフィール

ポルカ

Author:ポルカ
ジョニー・デップ大好き♪

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